NTTグループは自動運転サービスの実証実験を東京都内で開始し、15日に報道陣に公開した。安全性や機能の検証を進め、将来的には、自動運転の5段階のレベルのうち、一定条件下で無人運転ができる「レベル4」でのサービス提供をめざす。自動運転には遠隔での監視や交通情報の把握などが不可欠で、NTTは強みの通信技術を生かしたい考えだ。
東京都調布市のNTTグループ施設内の道路。ミニバンタイプの実証車両がゆっくりと走り出した。運転席にいるドライバーの手は、ハンドルから離れたままだ。走行中、道の脇に人が現れると、車に搭載されたカメラやセンサーが検知し、自動で停車した。今年度中に公道での実証開始もめざしているという。
自動運転には、運転ルート設計のための道路状況の把握や、遠隔での制御などが重要で、NTTグループが全国に持つ通信ネットワークや、遠隔監視といったサービスは強みとなる。NTTは開発を進める次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」の技術も活用しながら、自動車分野でも存在感を高めたい考えだ。バスやタクシーなどの交通事業者に向けたサービス提供を念頭に置いており、2030年代に自動運転の事業全体で年間1千億円以上の売り上げを目指す。
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